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Marehitoの溺れる魚は鳥かもしれない

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「心理カウンセラー」は心の科学者か

児童殺傷事件などが起こると、必ず話題になるのが「PTSD」と「心理カウンセラー」です。もはやセットと言っても過言ではないくらい、同じ文脈の中で顔を出してくるこの二つの言葉ですが、「心理カウンセラー」と言う言葉に常々激しい胡散臭さを感じていた私は、本上まもる氏の「何故、マスコミは心理カウンセラーを批判しないのだろう?」を読んで、まさに目からうろこが落ちた感じでした。こうした現場からの問題提起は、やはりインパクトがあります。本上氏は、多様な思想体系のもとで、独自の展開を見せいている心理学・精神分析の諸派の中から、何故ある一派だけが「心理カウンセラー」という殺菌された仮面の下で台頭してきたのかを鋭く告発しています。まさに「サイコ利権」としか言いようのない状況が本当に機能し始めているのだとしたら、かなり頭の痛い事態になりつつあることになります。

「心理カウンセラー」を無批判な状態で増殖させてしまっている他の要因を自分なりに考えてみました。

(1)「アメリカではすでに」という枕詞に始まる、「進んでいるアメリカ/遅れている日本」という昔な  がらの二項対立の図式が「心理カウンセラー」と言う言葉にある種のオブセッションに似たリ   アリティーを与えてしまっていること。
(2)現実にエスカレートしているとしか思えない少年犯罪の残虐性に対して、新たなテクノロジー
   導入への強い要求が高まりを見せ始めていること。
(3)PTSDという言葉とセットで用いられたことによって、精神のメカニズムに対する深い認識を    もち、それを効率的に回復させる科学性に到達していると言う幻想の波及がおきていること。

これらの要因が絡み合いながら、「心理カウンセラー」に対する「裸の王様」的な沈黙を日々産出させているのかもしれません。

しかし、ユング派ですか・・・。普通に考えると、到底、権力中枢に食い込むようなスクールだとは思えないのですが、中心メンバーに政治力にたけた人がいたのかもしれません。ちなみに私はユングは嫌いではないです(笑)
by SpeedPoetEX | 2005-09-27 05:02 | 目からうろこ